弊社が企画・販売を行っています防災ソリューション「グラスフォン」ですが、過日、弊社のグラスフォン担当者と株式会社バックムーンさんとの座談会が実現しました(バックムーンさんには当初よりグラスフォンのユーザーインターフェイス設計や開発部分をご協力頂いています)。

題して「グラスフォン開発者座談会」ということで、その様子を2回に分けてご紹介します。今回は後編をお届けします(前編はこちら)。

【対談者紹介】
知念氏:株式会社バックムーン CEO
山口氏:株式会社バックムーン CDO(Chief Design Officer)
前津氏:株式会社バックムーン CTO
崎山:株式会社ブルー・オーシャン沖縄 グラスフォン発案者・企画営業
日田:株式会社ブルー・オーシャン沖縄 グラスフォンエンジニア
安田:株式会社ブルー・オーシャン沖縄 広報

製品価値の共有で共同開発もスムーズに

■山口
私たちはスピーディーな実装は得意ですが、堅牢性・安全性はブルー・オーシャン沖縄さんの得意分野ですよね。そういう意味でグラスフォンはとてもバランスがいいと思っています。

■崎山
はい、技術視点でもバックムーンさんとの共同開発はとても相性が良いと思いますし、あと、やはり共通の目標があると、それに向かって進むにつれてどんどんまとまっていくと感じています。いわゆる組織論みたいなのは暇な人がやることで、実際はそれではまとまらないと思うんですよ。一方で「世の中をこうしたい」という価値さえあれば、組織論や社員教育みたいなものとは関係なく自然にメンバーの気持ちや行動がまとまっていくという。会社や組織、パートナーシップはこうあるべきですね(笑)

■安田
グラスフォンの仕様はどうやって詰めていったんですか?

■崎山
この製品の価値は何か?という大事な部分をしっかり理解して頂いていたこともあり、仕様の部分はバックムーンさんから積極的にご提案いただきました。

■前津
指示されたものを作るだけ、というのが嫌いなんです(笑)

災害時にも確実さを維持するためウィザード形式に

■崎山
特に画面仕様に関しては、バックムーンさんがウィザード形式にしてくれたのが新鮮で面白かったです。

■安田
ウィザード形式にした理由は何かありますか?

■知念
実はこのグラスフォン案件が、会社設立後はじめてくらいの案件だったんですね。そして、起業時には某社さんのWebサービスを使って登記の書類作成などを行っていたんですが、そのユーザーインターフェイスがウィザード形式で使いやすく、そこからヒントを得たりもしました。

■崎山
なるほど。一枚のページで全部やりたい人もいるとは思うんですが、ひとつひとつの作業をウィザード形式にした方が、災害の時はひとつひとつの入力に集中できるはずなんですよね。

■知念
その意味では、このシステムを使う頻度自体は多くないはずなので、初めて使う人でも確実に使えるように、ユーザーインターフェイス的にはこれが良いだろうということになりました。

■崎山
発信だけなら数ステップで誰でもわかるようにまとめられていますね。

■山口
はい、担当者がいない場合でも、誰でも操作できることをイメージして作りました。

■知念
特に、最後の発信ボタンを心理的に押しやすいようにしてあげる仕組みとして、発信前にまずは自分の携帯にかけられる機能をつけるなど、担当者の気持ちに近づいて考えています。このあたりは山口とたくさん話しましたね。

グラスフォンの今後について

■安田
グラスフォンの今後の展望について教えてください。

■崎山
まずはグラスフォンを100自治体に納めたいです。その場合、防災の世界で人の文化が変わった、くらいのものを作る必要があると思います。やはり共助強化のやりかたのお手本になりたいですね。

システムと人間の動きのトータルソリューションなので、そういう自治体をきっちりつくって、グラスフォンを入れたら防災が変わった、と言われることに今後も集中していきます。ビジネスとしてやってはいますが、やはり命を救いたい。命がひとりでもふたりでも助かれば、関係者全員が「やってよかった」と思えますよね。

また、電話は一対一という常識が変わって、メールより早く、メールよりちょっと温かい、という、いままでにないコミュニケーション価値を作っていきたいです。そうなると他のメーカーが真似すると思いますが、運用や価値の創出は大手さんより私たちのような会社が有利だと思っています。

■知念
グラスフォンの特長は電話の技術。防災以外の場面でもそれが人助けになることをもっと考えたいです。電話だからこその場面はたくさんあるのではないかと。

 

■崎山
人間が入ると重くなることを電話で軽くする、という役割ですね。

■山口
現在のグラスフォンは各自治体にカスタマイズしながら導入していますが、カスタマイズの時間がもったいない気もします。そこにはグラスフォンのさらなる進化も必要でしょうし、お客様側の意識改革も必要かもしれませんが、グラスフォンの知名度がさらに上がれば状況が変わることも考えられますね。

■前津
スマートフォンアプリ開発で参加して、自分の力量を見せたいです(笑)

■日田
ウィンドウズくらいの認知度を狙いたいです。あとはニーズに従って進化していくと思います。

■安田
今日はみなさんありがとうございました。グラスフォンの今後の展開に期待しています!